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化学の勉強法

以下の内容をメニューに加えました。ご参考ください。

受験化学勉強法

1.全体戦略

受験化学は、知識的な部分、数学的計算的、推理力(有機構造決定)、図形センスなど総合的な学力がいる。そして、分野別に責め方が違ってくるので、各分野のポイントを最後にまとめる。

基本的には、基礎概念把握→基礎問題演習→標準問題演習→応用発展問題演習を順に経て、入試問題演習をしっかりこなせば、偏差値60後半はいける。70台(東大や京大の最難関大)に乗るにはコツがいる。これも後述するので参考にされたい。

  総じて、化学は得意教科にしやすいと思う。なぜなら、やるべきことが数学に比べ約3分の1位ですむし、応用発展問題演習テキストの問題がほぼ受験本番の問題に等しく、ひねりは東大レベルででる位だからである。集中すれば短期で仕上げられる。受験で満点近く稼げる教科なので、是非得点源にしてもらいたい。

総論で述べたように、基礎概念把握→基礎問題演習→標準問題演習→応用発展問題演習を順に経て、入試問題演習をしっかりこなせば、偏差値65はいける。60後半から70台にのるにはコツがいる。このコツは入試問題演習のところで詳しく述べる。

2.① 基礎概念把握 

教科書とイラスト豊富な図説でイメージつかむことが肝要になる。図説はある程度詳しいのがよい。目安としてはす無機化学でオストワルド法の反応式が全て書いてあることを基準にすると良い。
化学図説(第一学習社)
参考書としては、
チャート式化学Ⅰ、Ⅱ(数研)
化学の新研究(三省堂)
がよい。難関大を狙うなら、化学の新研究を手元において各章しっかり読み理解することが必要である。

また、ゼミノートなどで知識を書きながらまとめるのもよい。
   化学ゼミノート (数研)
やり方としては、授業で学んだことを、ゼミノートや参考書、図説自分でイメージ豊に整理する。

2.② 基本問題演習

基本概念把握ができたら、基本問題演習に入る。ここでは多量に問題をこなすことだ。

学校ではセミナー、リード、アクセスなど教科書傍用問題集が配布されると思うが、詳しい解答の別冊を同時に配布してくれたら、その問題集を中心にする。解答集が配らなければ捨てる勇気を持ってもらいたい。学校の授業ノートを家で復習するときノートだけでは無理であるからだ。筆者もこれで苦労した。

中心となる問題集を設定したら、サブの問題集を用意しよう。市販では、以下がある。
リードα化学問題集(数研)

中心となる問題集を3,4回繰り返した後、このサブの問題集でさらに基礎を強固にする。化学の概念を理解するのは問題を解くしかなく、何回もやることで、脳に拒否反応をなくすのだ。

尚、セミナー、リード、アクセスは各章二部構成になっており、二部は入試問題がいきなりでてくるので、これは次の標準問題演習のステップでやった方が良い。

2.③ 標準問題演習

化学の場合、基礎問題から標準問題への移行は難しくない。
ここでは、
旺文社 重要問題集 各年度版
をお薦めする。万遍に全分野の問題を網羅してあるし、2段階に分けてあるので、やりやすい。これを、2,3回繰り返してやれば、偏差値65は軽く超えられる。

2.④ 応用発展問題演習 

化学の応用発展問題演習の最近の定番は
旺文社 新化学演習 
である。この問題集の優れているところは、東大クラスの思考能力がいる問題を全分野網羅してくれている点と化学受験問題の解き方がほぼ100%そろっているところである。

作者の創作問題や改題が多く、解答が?が数箇所あるが、それを除けば、偏差70越えには、これをやるしかないであろう。ただ、足りないのは緩衝溶液と生物領域の分野でこれは重要問題集や入試問題演習で補うことである。

また、解答は詳しい方だが、紙面の都合上、式や図が少なくわかりにくい所は、頼れる先生に聞こう。私がこれを使うときは、解説は図、式、をふんだんにに使って、生徒の頭にイメージを叩き込む。

さらに、余裕がある人は
駿台 理系化学100選
  をお薦めするが、新化学演習で十分であろう。東大を狙うひとでも新化学演習を仕上げたら、過去問をしっかりやった方が効率的だろう。この理系化学100選は網羅性が低いので、これを新化学演習の代わりにはできない。

2.⑤ 入試問題演習

東大京大などの、化学の問題が文章が長く、思考能力を問う大学以外なら、入試問題演習は数学ほどは必要ない。なぜなら、推薦した重要問題集や新化学演習の問題とほぼ同じアレンジで入試問題が構成されるからだ。だから、満点をとれる教科ともなる。逆にいうと、標準問題演習、応用発展問題演習を数回しっかりこなすことが東大京大以外では重要になる。
 
東大京大などの、化学の問題が文章が長く、思考能力を問う大学以外なら、入試問題演習は数学のように寝かす必要は東大京大以外には必要ない。すぐに、答え合わせをして、できなかった問題は、もう一度関連した問題が上記の問題集にあるから、それを見つけて参照してしっかり解き直すことだ。

また、化学の問題で、医学部系は計算問題が半端でないとこが多い。やり方はわかっているし、計算式まででているのだが、これを計算すると試験時間がなくなるなど、が多く発生する。日頃から、電卓でなく手計算をしておくこととやはり、正規の時間で解く練習が必要になる。また、できれば、理科二教科で正規時間でとる大学は二教科一緒にやって時間配分などの訓練をした方が良い。

2.⑥ センター、私立、国立二次対策

センター対策について

化学の場合も数学と同様で、センターで高得点を取るには、二次の問題を解く底力とセンター問題特有の解くスピード力である。しかし、この両者は日頃、二次の入試問題をしっかり正規時間で練習してきたら、自然とついくる。特に対策は要らないのだが、念のため、11月から週1、2回12月から週2、3回過去問または模擬テスト実践演習をすればよい。正規時間で解く事で時間配分や解く順番の感覚を身につければ十分である。尚、分野別に気なるところがある場合はセンター分野別問題集を仕上げると良い。文系の方は重要問題集のⅠの問題をこなし地力をつけよう。
   
国立二次対策、私立二次対策

これも数学の場合と同じだが、基礎概念把握→基礎問題演習→標準問題演習→応用発展問題演習をより仕上げて順に経て、入試問題演習をしっかりこなせばよい。私立対策としては、入試問題演習段階で、2回に1回は国立の入試問題を入れてレベルアップすべきだ。ただ、私立大医学部の場合は国立の中堅クラスより難しい問題も多いので、国立のトップの問題演習も入試問題演習も入れると良い。

2.⑦浪人生、現役、高1,2年生

浪人生
各人のレベルにもよるが、基礎概念把握→基礎問題演習→標準問題演習→応用発展問題演習を、標準問題演習→応用発展問題演習中心にを9月末までに仕上げて、理想的には10月から入試問題演習に入る。もちろん標準問題演習→応用発展問題演習のテキストは復習を引き続き行う。入試問題演習ほ正規時間で解く。志望校の10年分やれば、傾向がでるので、でやすい分野を強化する。理想的には週3回であるが、最低2回は行おう。また、東大や京大などトップレベルを狙わないなら、問題を寝かす必要はない。できなかった問題の関連分野の基本概念から立ち戻りしっかり修正しよう。
 いずれにしても、センター対策を始める11月中旬前までには、入試問題演習を少なくとも二ヶ月はやっておくと貯金ができる。ただ、受験化学は標準問題演習と入試問題の差がないので最後まで粘れば得点は必ずとれる分野なので、最後まであきらめないことだ。

現役生
学校の授業進展強で大きく違ってくるので、モデルをあげる。理系で3年1学期末で全分野が完了する場合を想定する。まず、授業展開とともに今やっている分野の基礎概念把握→基礎問題演習をしっかり行う。並行して、2年末まで既習分野の標準問題演習を行う。
夏休み中に2年末まで既習分野の応用発展演習を行い、一学期分野の標準問題演習をしっかり行う。
9月からは、一学期分野も応用発展問題演習題にシフトし、10月末までには、標準問題演習→応用発展問題演習を2回ぐらい復習する。
11月ごろから、入試問題演習を中心にする。は正規時間で解くべきで、分割しても二分割までにする。土日と週の例えば水曜などに行う。
センター対策は11月中旬から始める。過去問や模擬テストを自分で正規時間で解く。始めは週1回でもよいが、1ヶ月きったら週2回はやればよい。

高1,2年生
③から⑥で述べたことをじっくりやればいい。
まずはしっかり基礎概念把握を行う。学校で軽く説明されたとしても、教書を何回も読み図説を何回も見直して。細々したところまで、頭に再現できるようにしよう。
そのあと、基本演習を問題集で行う。3,4回繰り返してすらすらできるまで習得しよう。そのあと、もう1冊の基本問題演習テキストでパターンを叩き込もう。その後、余裕があれば重要問題集や基本問題演習テキス中の応用問題を行う。ここまでやっていれば十分で応用発展演習は3年からでよいし、あまった時間を数学や他の強化に費やそう。

 
2.⑧ 受験化学の分野別ポイント

a)計算理論化学
  原子、分子、結晶、気体状態方程式、ヘンリー則、蒸気圧、液体溶解度、浸透圧、沸点上昇、凝固点降下、酸、塩基中和、酸化還元反応、電池電気分解、反応の速さ、平衡、電離平衡、緩衝液、溶解度積など、一口にまとめられないほど、多様性に富んでいる。そして、関連性はあまりないように見らがちだ。しかし、ポイントはある。

つまり、原子、分子、結晶においては、電子の役割をしっかり押させること、気体状態方程式、ヘンリー則、蒸気圧では、数学のように状態方程式を連立させる感覚をつけることである。

液体溶解度、浸透圧、沸点上昇、凝固点降下においても、各方程式を書き数学のように解くことである。

酸、塩基中和においては、中和の反応式をしっかり書き、多段階反応も化学反応式を並べモル数を書くことである。

酸化還元反応、電池電気分解においては、電子の役割流れを理解し、反応式を並べモル数を書くことである。

反応の速さ、平衡、電離平衡、緩衝液、溶解度積においては、平衡反応式を書き、モル数の時間変化をしかり書くことなどである。

無機化学
無機はこれは暗記の領域多いが、知識をある程度系統だって覚えることが大事である。また、やはり基本問題を多量に解いて、知識の系統化を図るのである。特に、オストワルド法やアンモニアソーダ法を中心に化学反応式を丸暗記するのでなく、一部だけ暗記して、あとは自分で作るセンスが必要だ。有機化学の反応式にも言えることで、これがないと化学が嫌いになる。

有機化学
有機高分子の分野は覚える領域は無機より少ないが、その少ない知識で構造決定などの問題を解かなければならないので、やはり基本問題を多量に解いて、知識の系統化を図るのである。そのあと、標準、応用と進めるのであるが、特に構造決定の問題では、問題の一部から想定できる構造を全体を書き残りの条件から選択していくのいか、問題の条件から2,3の構造に絞って解くのか、判断して解くのが要点である。

高分子
高分子はが苦手な生徒が多いが、これはたぶん計算問題の解き方わからないからであることが多い。高分子でも計算問題は特有の扱い方がある。重合度を含め化学反応を書いて、モル数で勝負すれば、大丈夫である。

計算力
計算力はちゃんとやったほうがよい、日頃、電卓でやらないことだ。国立の医学部系に多いのだが、試験場の緊張した中、やり方はまちがいないのに計算だけややこしいだけのときがある。あせって手が動かないのは日頃の修練がたりないのだ。

実験系の問題
まずは図説に写真つきで説明されている実験は抑える。コツは原料反応物と生成物の把握といかに欲しい生成物だけ取り出し、いらくなった余った原料や生成物を除去するかである。
問題集としては、新化学演習の中の問題や駿台理系化学100選に詳しく解説されているので、参考にした方がよい。

その他
本当は化学は論理的でない部分が多いので、あまり細部が数学的にきっちりいかないことを悩まないことだ。大学の理学の化学科にいけばわかるが、化学はマクロな世界を相手にするので、単純なモデルで考察する数学や物理に比べて、近似が多く、論理的に行かないのである。高校化学は比較的論理的にいく分野をとりそろえているのだが、それでもそういかない部分も多い。有能な先生がその境目をしっかり教えてくれればよいが、いなかったら、まあ、あまり悩まないことだ。